「学校の授業って、もっとオモローにできるんじゃない?」
そんな思いを感じさせてくれる「オモロー授業発表会」が、2026年8月22日に水戸市で開催されました。
今回、私は参加者として会場に足を運んだのではなく、運営に関わる機会をいただきました。
チラシやパンフレットの制作にも携わり、開催前の準備から当日の会場まで、イベントを内側から見ることができました。
この記事では、そんな運営側の目線から、水戸で開催された「オモロー授業発表会」の様子を紹介します。
スポンサーリンクオモロー授業発表会とは?

オモロー授業発表会は、映画「夢みる小学校」に感銘を受けた久本和明氏が、「公立学校にも夢を持つ先生がいる」という思いからスタートしました。
教員、保護者、学生、地域住民などが立場を超えて集い、「公教育をどう面白くアップデートするか」を語り合う参加型の教育イベントです。2023年に大阪で始まり、全国へ広がる教育ムーブメントとなっています。
これまで全国35市町村で70回以上開催され、毎回100~300人が参加しています。
スポンサーリンクオモロー授業発表会in水戸のイベント概要
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| イベント名 | オモロー授業発表会in水戸 |
| 開催日 | 2026年8月22日 |
| 時間 | 13:00~16:00 |
| 会場 | 茨城県水戸生涯学習センター |
| 登壇者 | 櫻井良種先生など教育に関わる人 |
| 主催者 | オモロー授業発表会in水戸実行委員会 NPO法人 教員支援ネットワークT-KNIT |
| 参加費 | 無料 |
2026年8月22日に茨城県水戸市の生涯学習センターで行われた際も、約100名の参加者が集まりました。
スポンサーリンク私が「オモロー授業発表会in水戸」に関わることになったきっかけ
今回の「オモロー授業発表会in水戸」に、私は運営スタッフとして関わりました。
きっかけは、私が会計理事を務めているNPO法人教員支援ネットワークT-KNIT(ティニット)の副代表理事で、現役の高校教師でもある「ひらしぃ」が、このイベントを水戸で開催したいと考えていたからです。

私自身もT-KNITの会員として活動しており、今回の開催に向けた準備に関わることになりました。
チラシとパンフレットを制作
開催に向けて、私が担当したのがチラシとパンフレットの制作です。
イベントの内容が初めて見る人にも伝わるように、どんな情報を載せるのか、どのように見せるのかを考えながら制作しました。
チラシは、イベントを知ってもらい、参加してもらうための最初の入り口。
一方、パンフレットは当日、参加者に手に取ってもらうものです。
同じイベントのための制作物ですが、それぞれ役割が違うので、実際に作ってみると考えることも多くありました。

こちらが今回制作したチラシです。


そして、こちらが当日配布したパンフレットです。
自分が制作したものが実際に会場で使われているのを見ると、準備段階とはまた違ったうれしさがありました。
スポンサーリンク当日はキッズスペースを担当
そして迎えた当日は、スタッフとして会場の運営にも参加しました。
私の主な担当は、子どもたちが過ごすキッズスペースです。
イベントには小さいお子さまがいる方でも参加していただけるよう、子どもたちが安心して過ごせる場所を用意しました。

ただ、当日はキッズスペースの担当だけではなく、会場設営や写真撮影なども行いました。
会場の準備をしたり、イベントの様子を写真に収めたりしながら、スタッフの一人としてイベントを支えました。

準備しているときには分からなかったことも、実際に当日を迎えると見えてくるものがあります。
表から見ると「授業の発表会」ですが、その裏側では、会場を準備する人、参加者を迎える人、子どもたちを見守る人、記録する人など、いろいろな役割を担うスタッフが動いていました。
今回、運営側として関わったことで、参加者として参加するだけでは分からないイベントの裏側を見ることができたのも、私にとって貴重な経験でした。
スポンサーリンク「オモロー授業発表会in水戸」当日はどんなことが行われるの?

オモロー授業発表会は、教育に関わるさまざまな人が実践や想いを共有し、対話するイベントです。
登壇者の話す時間は一人10分と決まっています。
- 学校現場や地域での挑戦、活動
- 子どもたちへの想い
- 失敗や葛藤、そして未来への希望
それぞれの物語を、短く、熱く、語ります。
また、発表の合間には、「わっかトーク」と言って、登壇者と参加者が輪になって思いを語る場が設けられています。

また、ワークショップなども組み込まれています。

単純な「先生が授業を発表する会」ではなく、先生や教育に関わる人たちが、それぞれの実践を持ち寄り、参加者も一緒に考えるイベントです。
スポンサーリンクいよいよ当日!会場にはたくさんの人が集まりました
会場の様子

会場には多くの参加者が集まり、発表を聞くだけでなく、参加者同士が話をする姿も見られました。
発表の様子

ステージでは、それぞれの発表者が自分たちの授業や取り組みについて紹介。
配信・撮影

会場では発表の様子を記録・配信するための機材も用意されていました。
スポンサーリンクどんな「オモロー授業」が発表された?
高塚美羽さん「空き家からはじまる大学生と子どもの居場所づくり」

茨城大学人文社会科学部4年生の高塚美羽さんからは、大学生と子どもたちの居場所づくりについてのお話を聞きました。
高塚さんが取り組んでいるのは、空き家を活用して子どもたちの居場所をつくる活動です。
大学生活を送る中で感じた地域とのつながりの希薄さや、地域に増えている空き家。そこに目を向け、「空き家」と「子どもの居場所」を結びつけた取り組みを始めたそうです。
その活動の一つが、放置されていた建物を活用した自習室「自由室みちの」です。
ここでは、小学生から高校生までの子どもたちが勉強するだけでなく、年齢の近い大学生のお兄さん・お姉さんと交流することができます。
さらに、カードゲームで遊んだり、手作り風船やプログラミングなどのイベントを開催したりと、「勉強をする場所」だけではない工夫がされていることも印象的でした。
高塚さんのお話を聞いていて、私が面白いと感じたのは、空き家という地域の課題を、子どもたちの居場所という別の価値に変えているところです。
「空き家問題を解決する」という一つの目的だけではなく、そこに子どもたちが集まり、大学生と交流し、地域とのつながりが生まれていく。
一つの場所から、いろいろな人のつながりが生まれていることが、とても興味深いと感じました。
また、この活動によって、学校へ行きづらかった子どもが前向きな気持ちを取り戻したり、活動する大学生自身にも新しい興味や自主性が生まれたりしているそうです。
「子どものための活動」でありながら、大学生にとっても学びや成長の場になっている。そんな双方向の関係も素敵だなと思いました。
自由室みちのの詳細はこちら
安富悠介さん「やってみなけりゃ分からない!大人も子どもも失敗から学ぶ学級・学校づくり」

安富悠介さんは、民間企業での経験を経て教師になった方です。
お話の中では、これまでに行ってきたユニークな実践だけでなく、そこから生まれた「失敗」についても率直に語ってくださいました。
最初は、型にはまらない授業や教室づくりによって子どもたちを楽しませようと取り組んでいたそうです。ところが、自分自身が目立つ一方で、周囲の先生たちとの間に距離ができてしまった。
その経験から、一人の先生が頑張って学校を変えるのではなく、周りを巻き込み、みんなが当事者として関わることが大切なのだと気づいたそうです。
現在は、対話が生まれる場をつくりながら、学校全体をより良くしていく取り組みに力を入れているとのことでした。私が特に印象に残ったのは、「失敗したこと」を隠すのではなく、その失敗から何を学んだのかを伝えていたことです。
教育というと、どうしても「成功した実践」が紹介されることが多いように思います。だからこそ、安富さんが自身の失敗を振り返り、「そこから考え方が変わった」と話していたことに、説得力を感じました。
「やってみなけりゃ分からない」というタイトルそのものが、今回のお話を表しているように感じました。
スポンサーリンク塩畑貴志さん「無関心のままじゃいられない!学校×地域のホントの話」

続いては、私も所属しているNPO法人教員支援ネットワークT-KNIT(ティニット)の代表理事、塩畑貴志さん(ソルティー)の発表です。
普段から活動を一緒にしている塩畑さんですが、今回の発表では、改めて「学校と地域の関係」について考えさせられるお話を聞くことができました。
現在は、地域の人間関係が希薄になり、子育てや教育に関する負担が学校や教師に集中してしまうことがあります。塩畑さんは、そうした状況に対して、学校だけに任せるのではなく、地域や家庭も一緒になって子どもたちを育てていくことが大切なのではないかという話をされました。
特に印象に残ったのが、以前は学校側から拒絶された経験がありながらも、校長先生との対話を粘り強く続け、学校運営協議会を立ち上げるまでにつなげたというお話です。
簡単に「地域と学校が協力しましょう」と言うのはできますが、実際に立場の違う人たちをつなぎ、一緒に学校をつくっていくのは簡単なことではありません。だからこそ、対話を続けることの大切さが伝わってきました。
私自身もT-KNITの活動に関わっているからこそ、普段とは少し違った角度から塩畑さんの話を聞くことができたように思います。
学校のことを「先生に任せる」のではなく、地域にいる一人ひとりが関わっていく。
今回の発表を聞いて、学校は先生や子どもたちだけの場所ではなく、地域のみんなでつくっていく場所なのかもしれないと感じました。
スポンサーリンク白土瑞樹さん「眠くならない国語の授業!」

小学校教員の白土瑞樹さんからは、「眠くならない国語の授業!」という、とても気になるタイトルのお話を聞きました。
「授業中に眠くなるのは、単純に授業がつまらないからなのだろうか?」
白土さんは、自身の学生時代の経験や、教師になってからの失敗を振り返りながら、その理由を考えていったそうです。
そしてたどり着いたのが、授業中に子どもたちが受け身になり、「自分がやることがない時間」が生まれてしまうことでした。
以前は、教師が授業をコントロールし、子どもたちに指示を出すことを重視していたそうですが、そこから「自由進度学習」という考え方へと変わっていきます。
子どもたちが自分のペースや方法で学べるように、教師が学習環境を整える。つまり、教師がすべてを教えるのではなく、子ども自身が学ぶための環境をつくるという考え方です。
私が面白いと思ったのは、「眠くならない授業」という入り口から、実は「子どもが自分で学ぶにはどうすればいいのか」という話につながっていたことです。
「眠い=子どもが悪い」と考えるのではなく、「なぜ眠くなるんだろう?」と授業そのものを見直していく。こうした視点の変化が、授業を変えるきっかけになるのだなと感じました。
スポンサーリンク宮山敬子さん「100回のがんばれ!より1のありがとう!」

長年、特別支援学校の教員を務めてきた宮山敬子さんからは、ご自身の教育観が大きく変わった経験についてのお話を聞きました。
宮山さんは、これまでの自分の教育を振り返り、子どもたちを「社会の枠組みに合わせる」ことに一生懸命になっていた時期があったと話されました。
そこから始まったのが、ご自身の言葉でいう「やり直しの旅」です。
発表の中では、障害のある子どもたちを「支援される側」として捉えるのではなく、社会に対して価値を生み出す存在として捉える実践が紹介されました。その一つが、車椅子ユーザーの視点から街のバリアを発信する活動です。
自分たちが困っていることを伝えるだけではなく、その経験を生かして社会をより良くしていく。そこには、子どもたちを「助けてあげる存在」として見るのではなく、社会の一員として、ともに社会をつくる存在として見る視点があるように感じました。
「100回のがんばれ!より1のありがとう!」
この言葉も、とても印象に残りました。
「頑張って」と励ますことも大切ですが、誰かの役に立ち、「ありがとう」と言ってもらえる経験は、その人自身の自信や自己肯定感にもつながるのではないでしょうか。
教育とは「できるようにしてあげること」だけではなく、その人が誰かの役に立てる場をつくることでもあるのかもしれない。そんなことを考えさせられる発表でした。
スポンサーリンク福住里絵さん「先生、学校の外へ出よう!企業とともに創るこれからの学び〜」

中学校教員の福住里絵さんからは、先生が学校の外に出て、人や企業、他校の先生たちとつながることの大切さについてのお話を聞きました。
きっかけの一つになったのが、コロナ禍に参加したオンラインの教育コミュニティだったそうです。
学校の中だけでは出会えなかった人たちとつながり、自分の実践を外に出してみる。そこで、自分が取り組んできたことを客観的に評価してもらえた経験が、大きな転機になったと話されていました。
また、企業に対する見方が変わったというお話も印象的でした。企業を単に教材などを提供する存在として見るのではなく、教育現場が抱える課題を一緒に考え、解決していくパートナーとして捉えるようになったそうです。
私が面白いと感じたのは、単に「先生も外に出よう」という話ではなかったことです。
外に出て、たくさんの人から刺激を受ける。
そして、そこで得た学びやつながりを、最終的には自分の学校や子どもたちのために持ち帰る。「外に出ること」が目的なのではなく、「外で得たものを子どもたちに返すこと」が大切なのだと感じました。
スポンサーリンク板垣達周さん「先生をもっと個からTEAMへ。社会をもっとパートナー」に。

板垣達周さんからは、これまでのさまざまな経験や人との出会いを振り返りながら、「教師」という存在について考えるお話を聞きました。
以前の教師には、ルールを守り、子どもたちをしっかり指導するというイメージが強かったそうです。
一方で、さまざまな先生との出会いを通じて、外部の人たちとつながりながら、楽しそうに学び続けている教師の姿にも触れてきたとのこと。
そうした経験から、教師自身が豊かな心や生活の余白を持つことも大切なのではないかという考えにつながっていったそうです。
現在は企業経営者として、学校や教師を社会全体で支える仕組みづくりにも取り組んでいるとのことでした。
私が印象に残ったのは、「教師だけが頑張る」のではなく、社会全体で学校や先生を支えるという考え方です。
学校の中だけで教育を完結させようとすると、先生にかかる負担も大きくなります。だからこそ、学校の外にいる企業や地域の人たちも「教育の当事者」として関わることができれば、もっと違った形が生まれるのかもしれません。
発表を聞きながら、「自分にとって理想の先生ってどんな人だろう?」と、自分自身に問いかけてみたくなりました。
スポンサーリンク櫻井良種さん「同じものを見ても学校の外と内で見える景色が違う」

茨城県立竹園高等学校の校長を務める櫻井良種さんからは、学校の内側だけではなく、外の世界にも目を向けながら学校をつくっていくことについてのお話を聞きました。
櫻井さんは、NPO法人での活動やオンラインでの学びの場などを通じて、全国の先生たちとつながり、失敗から学び合う関係を築いてきたそうです。
また、登山などの体験活動を通して、教師と生徒が一緒になって経験することの大切さについても話されました。
教師が「教える側」、生徒が「教えられる側」という関係だけではなく、同じ体験をしながら、ともに学んでいく。そうすることで、子どもたちが自分から社会とつながっていく力も育っていくのだと感じました。
私が特に印象に残ったのは、「学校は最初から完成されたものではなく、みんなでつくっていくもの」という考え方です。
校長先生というと、学校の一番上に立って全体を管理する人、というイメージを持っていました。でも今回のお話を聞いていると、そうではなく、先生や生徒、地域の人たちと一緒に学校の未来をつくっていく。そんな学校のあり方もあるのだと感じました。
「同じものを見ても、学校の外と内では見える景色が違う」というタイトルも、まさに今回のお話を表しているように思います。
水戸で「教育」をテーマにしたイベントに参加して感じたこと
学校の授業というと、教室の中で先生が黒板の前に立って、子どもたちが話を聞く――。
私自身、これまでそんなイメージを持っていました。
でも今回、「オモロー授業発表会in水戸」で8人の発表を聞いて、授業や学校には、もっといろいろな形があっていいんだと感じました。
- 子どもたちが自分のペースで学ぶこと。
- 地域の人や大学生、企業など、学校の外にいる人たちとつながること。
- 先生だけが頑張るのではなく、周りの人たちと一緒に学校や教育をつくっていくこと。
それぞれ発表の内容は違っていましたが、共通していたのは、「今ある形が当たり前」と決めつけずに、よりよい教育のあり方を考え、実際に行動していることだったように思います。
そして、もう一つ、今回運営スタッフとして参加したからこそ感じたことがあります。
イベントは、表に出ている発表だけではなく、多くの人の準備や協力によって成り立っているということです。
私自身も、チラシやパンフレットの制作、会場の設営、写真撮影、そして当日のキッズスペースなどを担当しました。
当日、登壇者がステージで発表している時間だけを見ると、それがイベントの中心に見えます。
でも、その裏側には、企画を考える人、準備をする人、会場を整える人、参加者を迎える人、子どもたちを見守る人など、さまざまな人の力があります。
今回、自分自身もその一員として関わったことで、「教育」も同じなのかもしれないと感じました。
先生や学校だけで教育をつくるのではなく、地域の人、保護者、大学生、企業、NPOなど、いろいろな人が関わることで、子どもたちの学びの場はもっと広がっていく。
今回の「オモロー授業発表会in水戸」は、さまざまな授業のアイデアを知るだけでなく、「みんなで教育をつくる」ということを考えるきっかけにもなったイベントでした。
水戸でこうした教育に関する取り組みが行われていることを、今回初めて知った人もいるかもしれません。
私自身も、運営に関わった一人として、これからも水戸でどんな人たちが、どんな活動をしているのか、少しずつ見つけていきたいと思います。
オモロー授業発表会について、もっと知りたい方へ
今回、実際に「オモロー授業発表会in水戸」の運営に関わり、8人の発表を聞いたことで、私自身も教育について改めて考えるきっかけになりました。
「オモロー授業発表会って、そもそもどんな活動なの?」
そんな方には、書籍『オモロー授業発表会 みんなでつくる「公教育ムーブメント」』もおすすめです。
オモロー授業発表会が始まった背景や、「みんなで教育をつくる」という考え方、全国の先生たちによる実践などが紹介されています。
今回の水戸での発表会に興味を持った方なら、イベントとあわせて読んでみると、さらに「オモロー授業発表会」のことが分かる一冊だと思います。
まとめ|水戸で開催された「オモロー授業発表会」
今回は運営側として関わったことで、参加者として参加するだけでは見えなかった部分もたくさん知ることができました。
チラシやパンフレットを作るところから始まり、当日の発表や交流まで。
「授業って、もっとオモローにできる」
そんな思いが、会場のあちこちから伝わってくるイベントでした。
水戸でこうした教育に関する活動が行われていることを、今回初めて知った方もいるかもしれません。
私自身も、これから水戸で行われる教育や地域の活動に、少しずつ目を向けていきたいと思います。


コメント