「腰痛で労災は認定されないって本当?」
そんな疑問をお持ちの方に、腰痛で労災が認定されないことになった私の体験談を、ブログでご紹介します。
仕事で腰痛になってしまったという方は結構多いと思います。
しかし仕事が原因の腰痛でも、労災は「認定されない」「認定されにくい」と聞いたことはないですか?
そんな私も仕事で腰痛を発症したうちの一人です。
労災を申請し、審査までかなりの時間を要したのにも関わらず、不支給決定通知書が届いて労災が認定されない結果となりました。
この悔しさを皆様にお伝えすべく、腰痛で労災申請から結果までの体験談をブログでご紹介したいと思います。
腰痛での労災申請のポイントや、認定されない場合の対処法なども解説しています。
腰痛と労災問題で悩んでいる方は参考にしてみてくださいね。
腰痛で労災認定されないって本当?
業務上の疾病のうち腰痛は?
こちらは業務上の疾病の割合になります。
引用元:厚生労働省-業務上疾病年別推移を元に独自にグラフにしました。
ご覧いただいても分かるように、業務上での疾病は腰痛が72%と大半を占めています。
多くの労働者が仕事で腰痛になっているみたいだけど、労災に認定される割合はどのくらいなの?
腰痛で労災申請して、認定された人の割合は公表されていません。
実際に腰痛を認定された人数を確認してみましょう。
▽非災害性腰痛の労災補償状況(各年度中に新規に支給決定を行った者の人数)
平成30年 | 令和元年 | 令和2年 | 令和3年 | 令和4年 |
68人 | 82人 | 79人 | 77人 | 64人 |
業務上疾病の労災補償状況調査結果
全国でこれだけって少なくないですか?
こちらは非災害性腰痛で認定された方の数ですが、労災の腰痛は
に分かれています。
労災での腰痛の区分
災害性腰痛(仕事中の突発的に急激な力が作用するような出来事による腰痛)
負傷などの腰痛で①②どちらも満たすもの
- 腰の負傷またはその負傷の原因となった急激な力の作用が、仕事中の突発的な出来事によって生じたと明らかに認められるもの
- 腰に作用した力が腰痛を発症させ、また腰痛の既往歴・基礎疾患を著しく悪化させたと医学的に認められるもの
▽具体例はこちらになります。
これを見ると「ぎっくり腰」って思いますよね。
しかし厚生労働省の資料には、このように書いてあります。
ぎっくり腰は日常的な動作で生じるので、たとえ仕事で発症したとしても、労災補償の対象にはなりません。
ただし、発生時の姿勢や動作の異常性から、腰への強い力の作用があった場合は労災として認められることがあります。
引用元:厚生労働省-腰痛の労作認定
仕事でなったぎっくり腰も労災にならないの?
そうみたい。納得いかないよね…。
非災害性腰痛(腰への負担が長時間蓄積されたことによる腰痛)
突発的な出来事が原因でない腰痛。重量物を扱う仕事など腰に過度の負担がかかる労働者に発症した腰痛。
①筋肉等の疲労によって発症した腰痛
次のような比較的短期間(3ヶ月以上)従事したことによる筋肉の疲労等によって発症した腰痛
約20キロ以上の重量物などを繰り返し中腰の姿勢で行う業務。
毎日数時間、腰にとって極めて不自然な姿勢で行う業務。
長時間立ち上がることができず、同じ姿勢で行う業務。
腰に著しく大きな振動を受ける作業をする業務。
ちょっと基準が難しいね。
10キロの荷物でも腰痛になる人はいるんじゃないの?
そうなんですよね…。
私の場合は「毎日数時間、腰にとって極めて不自然な姿勢で行う業務」に当てはまるんですが、認定されませんでした。
②骨の変化を原因とした腰痛
次のような重量物を取り扱う仕事や、それと同じくらい腰に負荷のかかる仕事を10年以上したあとに骨に変化が起きたことによる腰痛。
30キロ以上の重量物を労働時間の3分の1以上取り扱う業務。
20キロ以上の重量物を労働時間の2分の1以上取り扱う業務。
10年とか30キロとか書かれているけど、個人の体格とかにもよるんじゃないの?
そうなんですよね…。
その辺がなんか微妙な感じですよね…。
腰痛で労災認定されなかった私の場合
私の場合、非災害性腰痛(腰への負担が長時間蓄積されたことによる腰痛)に当てはまると思っていました。
筋肉等の疲労によって発症した腰痛の「毎日数時間、腰にとって極めて不自然な姿勢で行う業務」です。
腰痛を発症した私の業務内容
私は前方に作業台、右側にパソコンがあるL字型のテーブルで作業しています。
常にパソコンを確認しながらの作業なので、いつも右側に腰をひねっています。
今の職場に入って半年か1年くらい経った頃、右腰の痛みで動けなくなり仕事も行けなくなりました。
そして回復後も、同じ個所が痛くなっては2週間くらいで治り…を何度も繰り返していました。
そして去年の4月からまた同じ右腰が痛くなったのですが、今回は2週間経っても1か月経っても回復しませんでした。
湿布は全く効かず、コルセットや腰痛軽減のクッションを買っても駄目で。
もうどうしようもなく整形外科にかかり、休業しました。
労災申請手続き
労災に申請をしたのは7月ごろですが、結果まで凄く時間がかかりました。
翌年の2月に決定通知がきたので、半年以上かかっています。
何度も労災の担当者から電話があり、状況を聞かれたり書類や写真を提出したりしました。
しかし半年以上もかかって結果は「不支給」でした。
正直こんなに時間がかかって不支給って…、労働者の生活がきついですよね。
十分な貯金がない人なら生活できなくなりますよね。
受任者払い
実はそんな労働者を守るために、「受任者払い」という制度があります。
ざっくり言うと、会社が労災のお金を先に建て替えてくれる制度です。
そうすることによって労働者の生活が守られるというわけです。
労災が認定されたらお金は会社の口座に入り、労災金が会社に戻ると言う仕組みです。
こちらの厚生労働省の書類を提出します。
腰痛で労災認定されない場合どうすれば良い?
腰痛で労災認定されない場合、どのような解決策があるのでしょうか?
労働局に不服申し立てをする
労災の結果に納得いかない場合、3ヶ月以内でしたら県の労働局の方に不服申し立てをすることができます。
そちらで再審査してもらい、決定が覆ることがあります。
しかし労災の再審査で覆ることは1割とも言われており、厳しいイメージです。
再審査でも労災が認定されなかった場合、国を相手に訴訟することもできます。
私は本人訴訟(弁護士をつけないで自分で裁判)したことがありますが、国を相手に訴訟なんてハードル高すぎます。
本人訴訟の体験談は下の記事から読めます。
おそらく腰痛なんかで国を相手に裁判する人なんかいないでしょうね…。
職場で死亡した案件など、重大な事故レベルじゃないとそこまでいかないのでは?と思います。
傷病手当に切り替える
私も労災から提案されました。
「傷病手当に切り替える方法もありますよ」
と。
そんなの最初から知ってます。
傷病手当もありますよじゃなく、労災で保証してもらいたかったですね。
傷病手当とは、病気や怪我で仕事ができない場合に、給与の6割が社会保険から保障される制度です。
しかし傷病手当は社会保険の制度なので、社会保険に加入していない場合保証されません。
会社に損害賠償(慰謝料)請求をする
傷病手当は給与の6割しか保障されません。
会社のせいで腰痛になったのになぜ?
って思う方もいると思います。
そういう方は、会社に慰謝料を請求することも可能です。
会社の監督不行き届きで発生した怪我なら、慰謝料をもらう権利はあると私は思っています。
腰痛で労災認定されない?まとめ
腰痛で労災認定はされないのか?についてブログで書いてみました。
- 労災で腰痛は認定されにくい
- 私は腰痛の労災認定されない判定だった
- 労災での腰痛の判断は難しい
- 労災で認定されなかった場合は、不服申し立て・傷病手当に切り替え・会社に請求などがある
いかがでしたでしょうか?
私の体験が参考になりましたら幸いです。
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