水戸市の小中学生の夏休みの宿題、「わたしたちの郷土研究」。毎年「何をテーマにすればいいの?」「どこまでやればいいの?」と親子で悩む宿題ではないでしょうか。
わが家の息子は、中1と中2の2年続けてこの郷土研究で賞をいただきました。
- 中1:「水戸映画ロケ地 フィルムコミッションについて」水戸教学研究部長賞
- 中2:「茨城県の教員不足問題について」水戸市教育長賞
この記事では、息子の2つの作品を実例に、テーマの決め方、調べ方、まとめ方、親がしたサポートを紹介します。これから取り組む小中学生と保護者の方の参考になればうれしいです。
わたしたちの郷土研究とは
「わたしたちの郷土研究」は、水戸市の小中学生が夏休みに取り組む、地域について調べる研究です。

すぐれた作品は表彰されるほか、近年は研究をスライドにまとめて発表する「わたしたちの郷土研究発表会」も開かれています。2026年は10月11日(日)に茨城県立図書館で開催され、申し込んだ児童生徒に「みと青年会」のメンバーがスライドづくりや発表原稿のサポートをしてくれる仕組みでした(水戸市の案内ページ)。
息子の作品① 中1「水戸のロケ地とフィルムコミッション」

テーマを選んだきっかけ
水戸市は都内から近く、映画やドラマのロケによく使われています。息子は「水戸のどこで撮影されていて、どんな場所なのか」を調べてみたいと思い、このテーマにしました。
好きな映画やドラマから入れるので、中1の最初の研究としては取りかかりやすいテーマだったと思います。
調べたこと
水戸市の公式サイトやロケ地の情報サイトを見ながら、次の10か所について「撮影された作品」と「建物の情報」を1枚ずつまとめました。

- 水戸市立西部図書館(映画「図書館戦争」など)
- 旧芦山浄水場(映画「カメラを止めるな!」など)
- 水戸プラザホテル
- 宮下銀座
- オハナコート
- 水戸赤十字病院
- 七ツ洞公園
- 水戸市役所
- 水戸市医師会館
- 茨城県立歴史館(旧水海道小学校本館)
最後に、フィルムコミッションの仕事(撮影場所の紹介や許可の調整など)と、地域の観光にどう役立つかをまとめています。
西部図書館は息子も行ったことがある場所で、「僕も行ったことがあります」とひとことコメントを入れていました。こうした自分の体験を少し入れると、調べ学習でもその子らしさが出ます。
西部図書館は、わが家の子どもたちが自習にもよく使っています。→ 水戸市立西部図書館の自習室|学生は勉強できる?席・Wi-Fi・混雑を体験レポ
まとめ方の工夫
- 1か所につき「作品名」と「建物の情報」を左右に分けて、全ページ同じレイアウトにした
- 目次をつけて、10か所の一覧が最初にわかるようにした
- Canvaで作成し、写真を大きく入れて見やすくした
- 家族の体験(母が県庁で戦隊ものの撮影を見かけた話)をひとこと入れた
息子の作品② 中2「茨城県の教員不足問題」

テーマを選んだきっかけ
息子は将来、学校の先生になりたいと思っていました。職業について調べるうちに、全国で教員が足りないこと、茨城県ではそれが深刻であることを知りました。
実際に自分の学校でも、先生が休んだときに代わりの先生がなかなか見つからなかった経験があり、「身近な問題」として調べることにしました。
中1は「調べてまとめる」研究でしたが、中2では自分の将来の夢と、学校で感じた疑問をつなげたテーマになりました。
調べたことと進め方
中2では、資料を調べるだけでなく、自分でデータを集めることに挑戦しました。
公的な資料で現状を調べる

文部科学省の「教師不足に関する実態調査」から、都道府県別の不足率ランキングをつくりました。茨城県は小学校・中学校ともワースト10に入っていました(令和3年5月1日時点)。教員採用試験の倍率や、教科ごとの倍率の違いもまとめています。
学校の先生にアンケート

通っている中学校の先生25人にアンケートをお願いし、グラフにしました。「教員不足を感じる」が90%、「仕事にやりがいを感じる」も90%という結果でした。
専門の団体にインタビュー・高校の先生に意見を聞く
教員を支える活動をしているNPO法人教員支援ネットワークT-KNITの方に、先生たちの悩みや茨城県の課題を聞きました。
T-KNITは筆者が関わっている団体で、インタビューは親子で相談して依頼しました。


また、県立高校の先生にも質問し、別の立場からの意見をもらいました。
県の取り組みを調べる


茨城県とエン・ジャパンの教員採用プロジェクトなど、不足を解消するための取り組みをまとめました。
インタビューは断られることもある
実は最初は、とある団体にインタビューをお願いしようと電話で打診しました。ですが、このときは受けていただくことができませんでした。
夏休みはどこも忙しい時期です。インタビューをしたい場合は、次のようにすると進めやすいと思います。
- 早めに(7月中に)連絡する
- 1か所に断られても困らないよう、候補を2〜3か所考えておく
- 電話では「中学生の郷土研究であること」「聞きたいこと」「かかる時間」を先に伝える
息子もそのあと、NPOと高校の先生、2つの立場から話を聞くことができました。
中1から伸びたところ
親として見ていて、中2で大きく変わったのは次の3つです。
- 自分でデータを集めた:ネットの情報だけでなく、アンケートやインタビューで「その子にしか書けない内容」が増えた
- 数字で示した:ランキングや倍率、アンケートの割合など、根拠を数字で見せられた
- 自分の意見を書いた:先生たちがやりがいを持って働いていることを知り、「先生一人ひとりの負担が減ってほしい」と自分の考えをまとめた
テーマの決め方のコツ
2年分の経験から、テーマ選びで大事だと思ったことです。
- 好きなこと・興味のあることから入る:映画やドラマが好き → ロケ地、のように入口は何でも大丈夫です
- 身近な疑問から入る:「学校で先生が足りない気がする」など、毎日の生活で感じたことはそのままテーマになります
- 将来の夢とつなげる:なりたい職業と水戸・茨城を組み合わせると、調べる意欲が続きます
- 「水戸・茨城」とのつながりを入れる:郷土研究なので、全国の話でも「茨城では?」「水戸では?」と地域に引き寄せます
息子の2作品にならうと、たとえば次のようなテーマも考えられます。
- 水戸のお祭りや行事の移り変わり
- 近所の商店街やお店の歴史
- 好きなスポーツチームと水戸のつながり
- 通学路や地域の地名の由来
- なりたい職業と茨城県の現状
調べ方・まとめ方のコツ
- 研究の動機と進め方を最初に書く:息子の作品はどちらも、最初のページに「きっかけ」と「進め方」を書いています。読む人に全体が伝わり、自分も迷わずに進められます
- 目次をつける:ページ数が多くなる場合は特に読みやすくなります
- 公式の情報を確認する:ネットの情報やAIの答えは、市や国の公式サイトで確かめてから使います
- 参考にしたサイトや資料を最後に書く
- 最後は「感想」と「これからの課題」で締める:調べてわかったことと、自分がどう感じたかを分けて書くと伝わりやすくなります
親がしたサポート
親として私が手伝ったのは、次の5つです。研究の中身を決めたり書いたりするのは、あくまで本人に任せました。
- テーマ選びの相談に乗る:話は聞くけれど、決めるのは本人
- 調べ方のヒントを出す:答えではなく「どこを見ればわかりそうか」を伝える
- インタビューのアポ取りと送迎:中学生だけでは連絡や移動が難しいので、親が電話をして車で連れて行った
- Canvaの使い方を教える:レイアウトや写真の入れ方など、操作の部分をサポート
- 誤字や言い回しの添削:仕上げの段階で、読みにくいところを一緒に直した
親が手を出しすぎると、子どもの研究ではなくなってしまいます。「段取りと道具は親、考えるのは子ども」と分けておくと、ちょうどいい距離で関われると感じました。
まとめ
「わたしたちの郷土研究」は、水戸や茨城のことを自分で調べて、自分の言葉でまとめる宿題です。
息子の場合、中1は「好きなこと」から入って調べる力をつけ、中2は「将来の夢」と「身近な疑問」から、アンケートやインタビューまで広げることができました。
テーマに正解はありません。子どもが「知りたい」と思えることを、水戸・茨城とつなげて考えてみてください。
夏休みの研究や勉強に使える場所はこちら → 水戸の無料自習室・勉強できる場所13選

コメント